Vol.2 4泊5日 南アルプス~西伊豆トリップ by Toru Ueda
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南アルプス大井川上流
どこに行こう?僕ら静岡に暮らすアングラーにとって、常に付きまとう悩み。
静岡は3000m級の山々が並ぶ南アルプスから流れ出る大井川、はたまた豊富な魚種が狙える駿河湾まで、フィールドに事欠かない。
だからこそ悩むのだ。GW、文字通り黄金に輝く五日間、充実した釣行にしたい。僕は悩んだ挙句、隊長と南アルプス、大井川上流へ向かった。この時期の大井川は読みづらい。
標高が高い分、解禁当初は低活性が続く。日に日に春めく一方、雪代に悩まされるようになる。
ベストなタイミングを釣り上がるのは難しい。
今回も釣りにならないかもしれない。
と思いつつも、南アルプスに足が向かってしまうのだ。新緑の南アルプスの渓で竿を振れるというだけでも、ワクワクしてしまう。釣行前夜、今回もベースキャンプで作戦会議。ビールを片手に(ちなみに隊長は飲めません)、お互いが持ち寄った食材で腹ごしらえ。
朝、のんびりと渓へ向かう。
太陽が昇り、木々の若緑が一層際立つ。いつ来てもこの渓は美しい
。初めて南アルプスの渓を見たとき、あまりの透明度に息を飲んだのを覚えている。隊長とも、この渓で出会った。隊長も、大井川に魅せられている一人だ。釣り始めから暫く、(例によって)反応はない。
半袖で十分なほど暖かな日だったが、まだまだ水温は低く、ウェイダー越しに感じるひんやりとした冷たさが心地よい。
交互につり上がっていたのだが、お互い顔を見合わせ首をかしげる。どうやら隊長にも反応はないようだ。それでも水面を割るサカナを信じて竿を振っていると、ようやく一匹。出てきたのはアマゴ。程なく隊長にも一匹。解禁から二ヶ月、少ないながらも魚を手にしてきたが、やはり南アルプスで釣るサカナは特別だ。ようやく今年も始まったのだと、この一匹を手にして初めて思う。
お互い数匹追加したあと、隊長が足を止め、流れに目を凝らし始めた。
そしてエルクヘアカディスに(おととし巻いたものらしい)、フロータントをひと吹き。僕も後ろから流れを見ると、サカナが一匹浮いているのが見えた。九寸ほどはあろうかというサカナ。
こちらまで手に力が入る。隊長が竿を振り、ふわっと着水したフライは、狂いなくサカナのいるレーンを漂った(絶対出る!)。イメージ通りに(僕は観客だけど)、サカナはゆっくりとフライを咥えた(毛鉤に賞味期限はない!)。
数回のローリングを繰り返した後、無事ランディング。長い尻ビレが印象的な、美しいアマゴだ。さて、僕もあとに続くぞと釣り上がり、小さな巻きの前に立つ。大して期待できないだろうと思いながらも竿を振る。すると、吸い込まれるようにフライが消えた。イワナかな?と思いつつも、釣れたのはコンディションのいいアマゴ。二人とも、大井川の渓を満喫することができた。
コンディションのいいアマゴ。
番外編 西伊豆 カヤックでルアーフィッシング
さて、GW後半。
隊長と別れ(隊長はもうしばらく大井川を満喫!)、僕はその足で西伊豆、松崎へ向かった。
結局、欲張りなトリップを敢行することにしたのだ。
西伊豆は静岡の中でもさらに魚種が豊富で、僕はここ数年カヤックフィッシングに通っている。ハタ、メバルなどのロックフィッシュ、マダイに、アジ、サバ、夏はメーター級のシイラまで、様々なサカナを楽しめる夢のようなフィールドだ(ハンマーヘッドに囲まれたこともある、、、。)。二日間で釣れたのは、アカハタやカサゴなどの根魚。
どんなに海が沈黙していても、ここのアカハタはいつも僕らを出向かえてくれる。
凪いだ海を漕ぐのは気持ちがいい。
そして今回はウミガメにも遭遇(写真に収められなかったのが残念!)。やはり、静岡は最高のアウトドアフィールドだ!
カヤックでしかアクセスできない入江。夏はシュノーケリングも楽しめる。
4泊5日の南アルプス~西伊豆トリップから帰宅。今回もポンコツ大活躍!