by FUNS STAFF MUTAGUCHI&KAWAKAMI 

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    目的は、「南の島でフライフィッシングをすること」
    魚の大きさも種類も関係なく。楽しければ目的達成。
    そんな旅にでた。

    始まりは、ルーキーのこんな話。

    「ムタさん!石垣島いきませんか?あの島は簡単にあんな魚もこんな魚も釣れるんですよ!ルアーの話ですけどね。ルアーやとスプーンをスローリトリーブ。これだけで十分釣れます。フライでもいけると思うんですよね。」

    もちろん、僕は二つ返事で行くことにした。
    八重山の釣りの面白さはいろんな人から聞いていて、一度行ってみたかったのだ。

    それにしても5月の石垣は梅雨らしい。
    出発が近づいてきたが、天気予報では滞在日を含め前後数日はずっと雨マーク。

    「大丈夫、大丈夫、私が晴れさすから!私の晴れ男ぶり知ってるでしょ?お金取れるくらいの威力やから」

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    さて当日、沖縄へ近づくにつれ、飛行機の下は厚い雲に覆われてくる。
    ところが、飛行機が到着するとそこは快晴。

    「ほらな。お金とれるわ~」

    「さすがです笑 もはや、伝説ですね。」

    さて、空港近くでレンタカーを借り、宿のある北へ向かう。
    石垣島というと、なぜか小さい島をイメージしていたが、以外とでかい・・いやかなりデカイ。山も川もあり、あたり一面の広大な畑に驚く。

    海辺に建つホテルにチェックインし、さっそく目の前の海へ。

    パイナップルも自生する欝蒼とした密林を抜けると、そこはサンゴの砂でできた真っ白いビーチ。
    それが横にどこまでも続いている。海は南国特有の青色で、透明度は高い。ところどころ黒く見えるのがリーフだ。
    一見すると海外の雑誌で見たボーンフィッシュやパーミットのいるフラットとなんら変わりはない。
    海水浴客と遊泳注意の看板だけが日本だ。

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    「いいとこですね~」

    「そうやろ!ここはミーバイからダツ、ガーラ、運よければタマンなんかが釣れますよ。」

    予備知識なしできた僕にはどんな魚なのか全く想像がつかない。

    「ほらっそこにダツがおる!」

    指差す方向に目をやると、確かに細長い魚が群れで泳いでいた。あれがダツらしい。

    「あいつらは獰猛なんでなに投げても攻撃してきます。ここからやりましょか!」

    ということで釣りを始める。なにもわからないので、困った時のクラウザーミノーを沖に向かってキャスティング。早めにリトリーブしてくるとさっそく魚が追ってきた。さすが石垣島!でもなかなか口を使うところまでいかない。
    リトリーブのスピードを思考錯誤していると・・

    「ムタさん‼︎きましたあ‼︎あーーーバレたーーー」

    まだ、数投なのにもう反応があるなんて・・
    これは楽勝モードか。

    と思ったのがいけなかったのか、その後パッタリと反応がなくなる・・
    14時から釣り始めて夕まずめまで釣ったものの、その後、反応があったのは僕がバラしたダツと思われる魚のみ。

    「ムタさん!想定外です。私のプランだと今日ここで20匹くらい釣ってもらう予定だったんですが・・
    途中でルアーも投げてみたんですけど、それもダメでした。う~ん、どうしたんだ。こんなことはじめてです。
    潮がわるいんかなー」

    これは暗雲が立ちこめてきたぞ・・

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    2日目。
    台湾に近いこの島は日の出が午前5時頃、そのかわりなかなか日が沈まない。東京とは経度がかなり違うので、まるでサマータイムのようだ。
    さっそく、昨日と同じビーチから釣りをはじめる。
    風もなく、僕らの他に誰もいないビーチは、海がまるで鏡のようだ。ウェーディングでフラットな海に最初の波を起こすのが楽しい。
    静かで、心が洗われるような時間。

    でも、そんな静寂はすぐにやぶられた。

    「あたったー!ダツや!」

    ルーキーの方を見ると水面がわれている。
    慎重に砂浜に寄せてボガグリップで掴む。

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    キャッチしたのは長~いダツ。80センチくらいはあるだろうか。
    ナマコとエイを足して2で割ったような体に(書くと変ですが、実物見ればわかります)
    目は、サメやエイのような猫系。
    口は細長く、小さな歯がたくさん生えている。こんなに口が細長かったら、獲物を飲み込むのも大変そう。なんて余計な心配をしてしまう。見れば見るほど不思議な生き物だ。

    とりあえず、1匹釣れて良かった。

    この時点で日の出から30分ほど。
    ときどき、小さな魚が水面を逃げまどい、ボイルもおき始める。
    海がざわついてきた。

    するとまた

    「きたー‼︎今度はミーバイや」

    という声。
    釣り上げた魚を見せてもらう。

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    へ~これがミーバイか。
    うわさ通りのかわいさ!独特の肌触りに、ブロックパターンの迷彩が魚ながらセンスを感じる。
    そして、個人的にツボなのが、丸い尾びれ。まるでカヌーのパドルのようだ。

    「こいつ最初は、よー引くんですけど、すぐ諦めるんですよ。」

    そう言われてみるとスプリンターの体つき。持久力はないのね。そこも好きです。

    よし、これで釣れるぞ!
    と思ったものの、その後はサッパリ。
    どうやら朝の地合いは終わったようだ。
    潔くあきらめてホテルで朝食をとりながらの作戦会議。

    「今日は午後からガイドいれてます。なんで、朝は小倉君に教えてもらったポイントにいきましょ。
    ほら、ここにしませんか?高確率でターポンがいるらしいです!」

    小倉君は前の月に石垣島に来ていて貴重な情報をくれていた。

    朝食を終え、教えてもらったポイントへ。
    1時間ほど釣りあがったものの、反応はない。
    今日は低確率の日にあたったようだ。
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    あきらめて車に戻っているとガイドのGoodLoopの内田さんからルーキーに電話が。
    「ムタさん!いま、電話がありました。いろいろ下見してきたらしいんですが、今日は潮が動いていないらしく状況は悪いそうです。
    せっかく、石垣島まで来てもらって釣れなかったら悪いので、今日より潮が動く、明日にしましょうと言ってました。
    なので、明日にしましたよ~
    それにしても内田さんいいひとやわ。今日は釣れないとハッキリ言ってもらってうれしい。」

    確かにそうかもしれない。なかなかできない提案だと思う。
    明日のガイドがますます楽しみになった。

    ということで、午後の時間があいてしまった。

    「小倉君情報の通称ミーバイの巣とやらが、ここから近いです。ここにいってみましょか!
    巣っていうくらいだからここでダメだったらもう無理っすね。笑」

    車で15分ほど移動して”ミーバイの巣”へ到着。

    「なんか有名なビーチっぽいですね。人が少ない時期なのにあんなにお客さんがいる。」

    「ホンマやね~しかもリーフがいい感じにあるわ。これはミーバイが好きな地形。
    小倉くんはブレークまで歩けるといってましたが、だいぶ沖ですね。あんなとこまでいけんのかな。
    まあ、とりあえず釣りますか!」

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    さて、ここまで釣果ゼロの僕はだいぶ弱気になっている。

    ひとまず小さめのクラウザーミノーで様子を見ることに。
    すると数投目でドンというあたり。僕の使っているロッドは強めの#8だったにもかかわらず、かなり引いている。
    これは、ミニガーラか??と思ったら、以外と小さくてカラフルな魚。

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    「おーついにやりましたね!!これは引くやつやわ。名前わからんけど笑」

    なんというか。鯛的な感じはする。2本の長い歯がかわいい。

    その後はこの魚がテンポよく釣れ始める。
    ルーキーはミーバイを連発しているようだ。

    「うーん。ミーバイ釣れないです。」

    「俺もムタさん釣ったやつ釣れないんよね~ラインの違いかな。俺はインタミ(ゆっくり沈むライン)でムタさんフローティングやし。
    そしたら交換してみましょか。」

    ということでタックルを交換。
    すると数投でミーバイが釣れた。

    「やっぱり、インタミでしたね。」

    「やったな~まあ、俺はさっきの魚釣れへんけどね笑」

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    その後もいろいろな魚が遊んでくれた。
    ミーバイの巣の噂は本当だった!

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    ついに最終日。
    そして、ガイドの日
    待ち合わせ場所でガイドの内田さんを待っていると、なんと内田さんはタクシーで登場。

    「いや~昨日、車壊れちゃってさ。
    それより今日は最高のコンディションだね。晴れてて、風はなくて。
    梅雨なのに運いいよ!」

    まあ、こちらには伝説の晴れ男がいますから笑

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    午前6時出船。
    最初のポイントは透明度抜群のリーフ。
    浅いリーフのなかにに突然ドン深の溝があらわれる。でかい魚はここを回遊しているそうだ。

    「ここはね。見ながら釣れるよ。浅そうに見えるけどこれで水深3メートルくらい。
    まあ、見えなくてもフライ引いてくれば魚が飛び出してくるから。」

    これで水深3メートル?見た目は足が付きそうなのに・・
    すごい透明度だ。

    ひとまず、きのう調子が良かった足つきクレイジーチャーリーをなげる。
    するとすぐにミーバイや謎の魚や謎の魚が釣れる!
    種類が多様で面白い。

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    ブラインドでも釣れるものの内田さんの言う通り、サイトで釣るのが面白い。
    ニモ(カクレクマノミ)がいたので、試しに小さめのクレイジーチャーリーを投げると思いの外、反応がよくあやうく釣れてしまうところだった。

    目を凝らして見ると、リーフの切れ目にはやはり大物がいた。でも、インタミと普通のダンベルアイのフライだととても探りきれない。
    次回は早く沈むフライとタイプ6(かなり早く沈むライン)を持ってこよう!

    一通り釣って別の場所へ移動。ここはタマンのポイントだそうだ。すぐ近くではGTもあがるとのこと。

    サンゴには小さな魚が群れている。
    石垣島のサンゴは数年前にオニヒトデに食べられてしまい一度、壊滅状態になったそうだ。オニヒトデも島のサンゴを食べつくすと数が減り、今ではあまり見かけなくなった。そこから少しずつ回復している途中だということだった。

    今の状態でもかなり魅力的なサンゴが見られが、オニヒトデに食べられる前の海を見てみたかった。
    ここでは、数匹釣って今回の釣りは終了。
    詳しい様子はGoodLoopさんのブログをご覧ください。

    なんとなく南の島で釣りをしてみたい。そんな気持ちで来てみた南の島。
    僕らと遊んでくれたのは、石垣島のけっして大きくはないが、きれいで獰猛でかわいい魚たち。
    それもけっしてたくさん釣れたわけではない。
    でも、ものすごい満足感。

    魚を探して、いろいろなフライを試して、泳いで、釣れない理由を考えて・・
    とにかくフライフィッシング漬けの3日間。
    正直、3日じゃ足りなかった。
    また来よう!

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    ◯ロッド
    #8 を基本に。#6で行く人もいるが、何がかかるかわからないのと、魚が小さくても根に潜られる前に寄せられるパワーが必要。向かい風でも投げるので#8がオススメ。

    ◯ライン
    風に強いライン、フローティングでも楽しめるが、トップウォーターの釣りをしないのであればインタミで釣ったほうがよく釣れる(思ったよりも浅くない場所で釣ることも多い)
    今回は持ち込まなかったが、ボートではtype6くらいのラインがあってもよかったのかも。
    RIO Outboundshort

    ◯リール
    小物と遊ぶには、超強力なリールは必要ないが、完全にシールされているもの、もしくは分解が容易で洗浄しやすいものがオススメ。

    ◯リーダー
    -2x直結。だったが、いざという時に切れる場所を作っておくべきだったと反省。

    ◯フライ
    クレイジーチャーリーの#2から#8があればなんとかなる。
    あとは、これで釣りたい!と思うフライ。

    ◯ラインバスケット
    あると便利、ただし今回は胸まで海に入ることが多かった(潮が動かずあまり浅くならなかった)のでラインバスケットは、ほとんど使わなかった。
    C&F Design ラインカーブストリッピングバスケット

    ◯PFD
    もしものために着用しましょう。僕らは腰につける紐を引くと膨らむタイプを使用。

    ◯ボガグリップ&ペンチ
    これがないと釣れた時大変です。トゲトゲが刺さらないように携帯しましょう。

    ◯ストリッピングガード
    ないと絶対痛いです。

    ◯日焼けを防ぐ服。
    長袖、マスク、帽子、グローブは必須です。
    Patagonia
    Sun Mask
    SUN STRETCH SHIRT

    ◯バッグ
    完全防水のドライバッグでも、開け閉めで必ず中が浸水する。なので携帯を持ち込む場合は別の防水対策が必要。つまり、ドライバッグじゃなくても良かった。
    フライボックスも同じ理由で、海水は入るので防水にこだわるよりも洗いやすいボックスのほうが良い。
    他に意外と使いやすいのはベスト。ポケットがあまりゴチャゴチャしすぎない、海水対応のものがよい(ジッパーがプラスチックのものがある)
    Patagonia Hybrid Pack Vest

    最後に、石垣島とはいえ潮は重要です。
    僕らは良くない潮周りで苦戦したので、潮が動く時にお出かけください。