電車でGO! Vol.6 特別編 香港ターポン by YUSUKE
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マイカーを持たない釣りびとが、電車をはじめとする公共交通機関を駆使して釣りに行くさまをお伝えする(おそらく)唯一無二のフライフィッシングエンターテイメント。
旅の出発地はいまもむかしも日本橋。Facebookページも運営中。
電車でGO! FlyFishing https://www.facebook.com/trainagogoff香港在住者の公共交通機関の利用率は90%を越えるそうな。(東京圏は67%)その香港にターポンが泳ぐ運河があるとの情報が!しかも電車で釣りに行けるんだって?
ということで行ってきました、電車でゴーin香港2015ゴールデンウィーク!親類が香港在住なのだが、(釣りが忙しく)不義理にも来訪したことがなかったわたしY 。
しかし、ターポンの情報を聞いてからはいてもたってもいられなくなり、2015年のゴールデンウィーク、ついに、香港行きの飛行機に乗り込んだのであった。
香港へ旅行した経験のある方からしてみれば「あんなところにサカナなんているの?」と思われるかもしれない。
当企画メンバーのNは10代を香港で過ごした経験があるので話を聞いてみたら
「あんな(汚い)ところで釣りなんかできるか!」
と罵倒されてしまった。(ということで今回はNは不参加)このように釣り不毛の地と認識されている香港であるが、実は疑似餌釣りの好敵手であるゲームフィッシュが数多く生息しているようなのである。
というのも、現地の魚市場やスーパーの鮮魚売場の写真を目にする機会があったのだが、並んでいたのは、クイーンフィッシュ・レディーフィッシュ・レッドフィッシュ・スヌークetc と、そうそうたる面子・・・。
食料になっているぐらいなのだから、相当数が生息しているはずだ!
とひとり前のめりフライを巻く夜が出発前まで続いた。香港の街角で売っていたクイーンフィッシュの干物。食べてみればよかったかな。 まあ、鮮魚の話はジョークだとしても、少なくともターポン(パシフィックターポン)がコンスタントに釣れるのは間違いないらしい。というのも、釣り仲間であるHG 氏(レイザー○モンではないw)が数年前に香港に移住し、試行錯誤の結果、”フライでターポンしかも電車でゴー”のメソッドを完成させているからである!
ということで、2015年4月某日、香港の滞在先よりHG 氏宅最寄りの○○駅までMTR (香港の地下鉄)で移動し、合流後、いよいよ企画スタート!MTRのイスはなんと金属製!座りにくいったら居眠りしにくいったら。 もちろん、わたしYは英語も中国語も話せるわけでも聴けるわけでもないので、待ち合わせ場所にたどり着くだけでも必至である。(駅でのみ使えるWiFiが命綱)
日本の英語教育と自分の不勉強さにブツブツ文句をたれながら、なんとかHG氏と合流した。感動の再会のち、昼食食べながら作戦会議なのだが、そこで明かされたのは驚愕の事実!HG氏「しっかし潮回り悪いときに来たねー」
Y「でも、釣れるんでしょ?」
HG氏「(普段は潮見ていいときしか行かないから)こんな条件で釣りしたことないからわかんない(笑)」
Y「ま、まじですか・・・」
駅よりバスに乗り込んでいざ出発の図。右も左も分からないので、ただただHG氏についていく。 香港のバスは基本的に二階建てらしい。景色がよいが自分がどこにいるのか、どこに向かっているのか分からないので、なんだかかんだか。 ということで、現地に着いたのだが、そこはちょっと文章では説明不能な場所だった。例えて言えば、40年前の品川???
香港のはずれの食肉市場の脇のボサを抜け小道を歩いていくと、突然視界が開け、運河が現れた!上流側の彼方には何やら大都市が見える。そして、水中では何やら大型のサカナがバチャバチャとしぶきを立てている!しかも複数!ちょうど再干潮の時間であり水深は1mないくらいだが、水はカフェオレ色なのでどんなサカナなのかは判別できない。Y「あれ、なんですか???1m近くありそうですが・・・」
HG氏「たぶんナマズ系。アフリカンクララってやつかも」
Y「思いっきり外来種ですよね?」
HG氏「うん。ここ、バスもいるし、ターポンのメインベイトになっているのはテラピアとオイカワみたいだよ。」
Y「わけわかりません!!!」
本命のターポンは上げ潮とともに海からやってくるらしく見当たらなかったが、サカナがいるとなれば何であれ釣ってみたいのが釣り人の性。#6のサオに#8のインタミのシューティングヘッドを組み合わせて、とりあえず釣り開始。フライは#6のダンベルアイ付きゾンカー。バチャバチャやっているサカナのサイズに合わせてショックティペットは25lbを選択した。なんと、開始数投目でリトリーブする左手にモゾッとした感触が。
Y「なんかかかったみたい。地球じゃないよな・・・。おお!走りはじめた!!!」
かなり重い引きである。20m先でかけたうえに水色のせいで魚体は見えない。干潮で水深が浅く、障害物がまる見えなのでそこに走らせないように努力するのだが、健闘むなしくサカナは障害物へ一直線。障害物に巻かれリーダーとショックの結び目から切られてしまった。ガックシ。せめて魚体を見て正体だけでも突き止めたかった・・・(泣)
その後はアタリもなく、潮が満ちるにつれバチャバチャやってたサカナも沈黙し、運河からサカナの気配が消えた。ターポンの時合に備えHG氏は休憩するとのことだが、こちらとしてはめったに来れる場所ではないので釣り続行である。
水の汚さ(右手にはめた白いストリッピングガードが真っ茶色になる・定期的に上流からコ○ドームが流れてくる・病気のサカナが浮いているetc)と、暑さにめげずに頑張る(笑)運河はこんな感じ。 足場が高く、またバックスペースも広くないので釣りがしやすい訳ではない。が、いつどんなサカナがかかるか分からないワクワク感に背中を押されキャストし続ける。
そして、4時間が経過した・・・。
17時30分を回り、もはや満潮間近だが相変わらずサカナの気配はない。もちろんこの4時間アタリすらなかった。
HG氏「今日はやっぱりダメかも」
Y「・・・」
もはやあきらめかけたその時、下流からライズの雨が近づいてきた!!!満潮とともにターポンさまの到来である。夢ではなかろうか?なぜか脳内で『ワルキューレの騎行』(映画『地獄の黙示録』のテーマ曲)が鳴り響く(笑)
サオを#4のフローティングラインセットに持ち替え、#6のガーグラーを結びキャスト!すぐさまヒット!先ほどまでの沈黙が嘘のよう。水面の波紋は全てターポンのライズです。 これが香港ターポン!(パシフィックターポン)小さくたってジャンプしまくり。 アタリは相当数あるのだが、口が堅いのかなかなかフッキングしない。
また、フッキングしてもジャンプでバレる。
約40cmほどのもかけたのだが、惜しくもバラしてしまった。しかしライズの雨は真っ暗になるまで続き、二人とも20~30cmほどの香港ターポンの数釣りを堪能することができた。
帰りのバス停にて缶ビールで祝杯をあげたことは言うまでもない!香港の気候は日本と比べてとても暑い(温帯湿潤気候)ので、標高の高い場所(なんと900m台の山もありトレッキングが盛ん)であっても、渓流魚は生息していないらしい。
しかし、汽水域で香港ターポンをはじめとするこんなエキサイティングな釣りができることは、それを補って余りあるのではないだろうか?
とりあえず、バチャバチャやってたあのサカナ、旅行ついでにリベンジすることを誓います。まとめ:マカオでカジノ、香港で飲茶そしてターポン!というプラン、企画しようかなぁ?
電車でゴー的まとめ:香港の道路交通マナーはスゴいので、レンタカーでなく電車とバスで行ったほうが良いでしょう(笑)
(to be continued・・・)